秋田県生活協同組合連合会は2019年10月15日(火)、秋田市のイヤタカにて県内の組合員・役職員70名の参加で第35回秋田県生協大会を開催しました。司会は小林芳昭常務が務めました。 三浦貴裕会長の主催者挨拶のあと、秋田県生活環境部、秋田県農業協同組合中央会より頂戴したメッセージが、コープあきた組織部の船木慶子係長より紹介されました。 また、来賓の日本生協連 北海道・東北地連事務局の山﨑若水様より同地連の井形貞祐事務局長のメッセージが代読されました。
続いて秋田県立大学生物資源科学部 長濱健一郎教授の講演「種子法廃止に見る食の未来~その背景に見える社会のあり方~」を行いました。国民の食糧確保に不可欠な優良な種子を守ってきた種子法が廃止された背景と現状、今後の問題点に至るまで説明されました。種子ビジネスを行う海外資本企業の参入により、遺伝子組み換え作物や食品添加物表示などの食の安全に対する不安や、さらには伝統野菜や米を代表とする地域の個性・風土に適合した多様な種子が損なわれる懸念も生じてきます。全国13の道府県では条例を制定したり準備を進めているにもかかわらず、農業の盛んな秋田県でその動きがないことを疑問視し「農家は法律があるからこそ優良な種子を生産できていたが、法律がなくなるとチェック機能が働かない。秋田県の農業の未来はどうなるのか」と警鐘を鳴らされました。
引き続き、今年8月に開催された「ピースアクションinヒロシマ」に参加したコープあきたのコープふれんず 板垣真喜子さん、組合員 佐藤宏子さんより報告していただきました。より被爆者の視点に立ち、遺族の悲しみを伝える展示にリニューアルされた広島平和記念資料館を訪れ感じたことや、被爆者の証言、遺構の見学など、写真と共に報告されました。「これまで平和活動に接する機会はなかったが、現地へ行って意識が変わった。なぜ原爆が投下されたのか。何のための戦争だったのか。今大事なことは、核兵器を持たない、戦争で亡くなった方の死を悼み決して忘れない、そして自分の周りの人=世界と協力することだ」と強く訴えました。当日来場できなかった、板垣さんのお孫さんで小学5年生の山﨑莉人くんの作文も紹介されました。お二人の貴重な体験は現在開催中のコープあきたの班長・組合員のつどいでも報告予定で、平和の尊さを皆さんに伝えてくださるようお願いしました。
大会決議案が組合員活動協議会委員の工藤美樹さんによって読み上げられ、論議を充分に行い国民が理解したうえでの憲法改正、安心して生活できる社会保障制度や少子高齢化への対策の要求、イージスアショアの配備方針への正確な再調査の要求・結果と説明の厳しい検証、災害被災者への支援活動の継続の4つの決議が満場の拍手で採択されました。最後は川村副会長の挨拶で閉会しました。